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来院される患者のトリアージ [医療現場]

断らない病院に勤めていると、救急外来に多数の患者が押し寄せてくる。
特に今の季節は熱が出たらインフルエンザを心配し、嘔吐・下痢ではノロウイルスを心配に来院される患者が多い。基本的には救急受診をする必要は無く、自宅療養が公衆衛生的にも感染拡大の予防に良いのだが、様々な問題(メディアによる扇動、個人の不安、施設としてのリスクマネジメントなど)から受診されることが多い。

そうなると、救急外来にありながら、本当に緊急性がある患者と基本的に緊急性がない患者が入り交じることになり、外来の待合は受診希望の患者でごった返す。
それが待ち時間の延長に繋がり、診療開始・治療開始の遅延に繋がる。
医師一人一人が抱える患者が多くなればなるほど、患者にかける手間は減らさざるを得ず、結果的に誤診や見逃し、診断遅延に繋がるリスクを高める。

その限られた医療資源を有効に活用するためにも、トリアージと言うものが有効に働くことがある。
受付をされた患者を看護師がトリアージ(篩い分け)を行い、緊急度を判別していく。
医師は緊急度に応じて診察順位を変更し、医療資源の再分配を行う。
そうすることで、特に必要な患者には集中的に、そうでない患者には時間に余裕を待たせながら診療を行うことができる。

ただ、結局はトリアージをしても来院する患者が多ければそれらに対応せざるを得ず、医療資源とのバランスに不均衡が生じれば、先に挙げた医療現場での遅延が起きる。
それらを解消するには、一病院だけで解決を図るのではなく、地域の他医療機関との連携が鍵となるだろう。

今後は一医療機関でまとまらず、地域の医療機関との連携を図り、場合によっては受診された患者のトリアージ結果で他院へ紹介するなどの対応も検討されるべきかも知れない。
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