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100歳超の手術 [医療現場]

先日、100歳を超えている人が頭の手術を受けた。

受診の1ヶ月前に転倒し、数日前にも転倒し、その後から右の手足が麻痺している、
として家族に連れられやってきた。

診察では明らかな右の手足に力が入らない。
しかし、頭はしっかりしていて、話していることも理解できる。
元々は自分で歩いている元気な高齢者だ。

頭のCTを撮ると、脳を圧迫する出血が頭蓋骨の中に見られた。
しかし、それは緩徐に進行する「慢性硬膜下血腫」と言うもの。
「元々元気だった高齢者なので、手術をしたら力も戻るかも知れない。」
そう思い、脳神経外科医に相談した。


ほとんどの人は、100歳を超えたら手術なんてしないと思うだろう。
おそらく、ほとんどの医療機関でも80歳を超えたら手術なんてやりたがらない。
でも、ここには可能性のある患者さんには精一杯尽くしたいと思う医者が集まっている。
「数日前まで歩けていたなら、この血腫を取り除けば歩けるようになる可能性がある!」
そう思った脳外科医も家族に手術をすることを勧めた。
もちろん、手術に伴う危険性も併せて説明してだ。

高齢者になれば、手術の手技に依らなくてもいつ心臓が止まってもおかしくはない。
それでも、手術中に心臓が止まれば、手術をした医者は悪者扱いされてしまう。
医者にとっても賭けみたいなもんだ。
 #だから高齢者に侵襲的な治療をしない医療機関が多い。。。

そんな危険を抱えながらも、脳神経外科医は手術を行った。
そして、入院し、リハビリを続けたその患者は、若干見守りや支えは必要なものの、
自分の足で歩いて退院した。

退院の時、手術を勧めて良かったな、と思った。

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